大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)785 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人前之園喜一郎の上告趣意について。

原判決は、本件タイヤはAが、被告人に交付したものであることを認定したので

あつて、原判決挙示の証拠によればAは被告人から「このタイヤはここに置いて行

け」と云はれたので被告人の面前で、これを路上において自転車に乗つて逃げた。

かくして、右タイヤは被告人の占有に帰した事実、すなわち、原判示にいわゆる「

交付」の事実を認定することができる。しからば被告人はAの意思に基いて、右タ

イヤの占有を承継したものであつて、論旨のいう如く、Aは、逃走の際、右タイヤ

の占有を遺棄し、被告人かこれを占有したという事実関係は原判決の認定せざると

ころである。従つて、原判決がその認定の事実に対し、刑法第二五四条占有離脱物

横領の規定を適用しなかつたのは正当である。論旨は、畢竟、原判決の認定せざる

事実を主張し、これに基いて原判決を攻撃するものであるか、若しくは、原審の専

権に属する事実の認定を非難するものであつて、上告適法の理由とはならない。

以上のごとく、本件上告は理由がないから、刑事訴訟法第四四六条に従い主文の

とおり判決する。

右は全裁判官一致の意見である。

検察官 長谷川瀏関与

昭和二三年一一月二〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

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裁判官 藤 田 八 郎

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